袱紗(ふくさ)とは?
袱紗(ふくさ)とは、冠婚葬祭においてご祝儀やお香典などを包む四角い布のことで、中身が汚れたり、水引が崩れたりするのを防ぐ目的で使用されます。様々な色や種類がありますが、弔辞で使用できる色・形は決まっています。
袱紗の種類
形
袱紗には大きく分けて4つの形があります。それぞれの特徴やメリットをまとめます。
■風呂敷袱紗
風呂敷のようなシンプルな袱紗
メリット | 包む金額 |
---|---|
使用後に小さく畳める リバーシブルで慶弔両用できるものもある |
3万円以上 |
■爪付き袱紗
型崩れしないように爪と留め糸がついている袱紗
メリット | 包む金額 |
---|---|
爪がついているのでほどけにくい 包みやすい |
3万円以上 |
■台付き袱紗
袱紗の内側に、香典袋などを乗せるお盆代わりの台が付いている袱紗
メリット | 包む金額 |
---|---|
中身がずれにくい 香典袋などを台に乗せたまま渡すことができる |
3万円以上 |
■金封袱紗
内側にポケットがある二つ折りの袱紗。
※略式の袱紗。使用する際は注意が必要です。
メリット | 包む金額 |
---|---|
香典袋などを包む面倒が無い 形が崩れにくく、落としにくい |
1〜3万円 |
「金封袱紗」は扱いやすく便利な袱紗ですが、略式の袱紗のため、相手との関係性などを考慮して使用する必要があります。また、包める金額も他の袱紗より少額になります。
色
様々な色の袱紗がありますが、弔事に使用する際は寒色系の色を選んでください。
寒色系の色とは、紫・緑・紺・藍色・灰色などの視覚的に涼しさや冷たさを感じる色を指します。なお、慶事の場合は暖色系の色を使用します。
弔事(寒色系)
紫、緑、紺、藍色、灰色など
慶事(暖色系)
紫、赤、オレンジ、ピンク、金など
紫は弔事にも慶事にも使用できるため、一枚だけ用意する場合は紫がオススメです。
刺繍
無地が多い袱紗ですが、中には刺繍(鶴・亀・蓮の花・家紋など)が入った高級品も存在します。弔事、慶事によって使用できる模様は異なります。
弔事用
蘭、蓮、菊、家紋
慶事用
松、竹、梅、鳳凰、鶴、亀、家紋など
※家紋は袱紗の色次第でどちらにも使用できます。
袱紗の包み方
弔事は左開きにして畳みます。(慶事は右開き)
台付き袱紗、爪付き袱紗、風呂敷袱紗
- 袱紗を裏向きにし、ひし形状に広げます。その際、爪付き袱紗は爪を左側に、台付き袱紗は台が右側にくるように広げます。
- 金封を中央より右寄り(金封の右端が袱紗から出ない程度)に、表書きが読める方向にして置きます。
- 袱紗を金封に被せるように、右端→上→下の順に折り畳みます。
- 最後に左端を右側に被せるように折り畳んで完成です。
金封袱紗
左開きになるように開き、右側のポケットに表書きが読める方向にした香典を入れ、口を閉じます。
香典の渡し方
受付で渡す場合
- 「この度はご愁傷様でございます」とお悔やみを言い、一礼します。
- 右手で袱紗を持ち、香典を取り出します。
- 袱紗の上で半時計周りに180度回転させ、両手で渡します。
先方に直接渡す場合
相手の前で袱紗を開き、お盆や台の上に相手から表書きが見えるように置いて渡します。
袱紗についてのQ&A
袱紗が用意できない時は、小さな風呂敷やハンカチで代用することもできます。ただし、代用するのは緊急の場合のみ。色・柄・素材などにも注意が必要です。包み方は袱紗と同じです。
百貨店やショッピングセンターなどの呉服売り場・フォーマル売り場・文房具売り場や、紳士服専門店、文房具店、ネットショップや100円ショップでも販売しています。
素材によりまちまちですが、ポリエステルのものであれば100円ショップでも購入できます。また、正絹や正絹縮緬は正絹のランクにより三千円から一万円程度します。
まとめ
袱紗には、香典袋の汚れや水引の型崩れを防ぐという役割だけではなく、香典を丁重に扱うことで贈る相手への礼儀を尽くし、色や刺繍などに配慮することで相手の喜びや悲しみに寄り添う姿勢を示すという役割もあります。大人のたしなみとして1枚は用意しておきましょう。
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